【Messiaen: Chronochromie -クロノクロミー-】

 以前から気になっていたMessiaenのオーケストラ作品に、
『Chronochromie』(全7曲)が在ります。
これは1959-1960に書かれたもので、51歳―52歳にかけての作品という事になります。
この頃にはもう、鳥のさえずりの描写が至る処に在り、それも一匹でなく、
鳥の大群がざわめき合っている「音の模写」的要素が全体をつかさどっているようです。
音の響きで大変興味深いのは編制の部分でして、
殴打して(やや表現が物騒??)鳴らす木琴と、
弦を弓で擦り合せる事によって発音する弦楽器群との相性が、
意外にもこんなに心地よいとは、初めて感じた処でした。
そして、Messiaenが意図的に取り入れたという「ギリシャ」や
「インド」の民族音楽的要素も見え隠れ(聴こえ隠れ?)しているようでもあります。

 そしてこの作品で最も気になるのは、「タイトル」です。
「Chrono」を仏和辞典で引くと、「ギリシャ語で時間を表す」と在り、
「Chromie」を引くと出てこないものですから、始めは近似値で
「Chrome」辺りを探り、「形容詞:クロムメッキされた」当たりの語を考えていました。
『クロムメッキされた時間』???と様々この曲のタイトルに
想いを巡らせておりました。
木琴と弦楽器群との響きの相性が、何か「クロムメッキ」という予測にも
応え得る音のようにも聴こえたからです。

 しかし最も近似値であろう言葉を、今日辞書で見つけたように思いました。
「chrom(o)」=「ギリシャ語の『色』の意味。」 

 そうか、これか!と合点がいきました。
Messiaenは時間軸を変幻自在に行き来し「不可逆行リズム」を愛用した。
そして御承知の通り、「色彩」も常にその創作活動に伴走していた。
「経過してゆく時間」に色彩を見出していたのでしょうか。
そう考えますと、彼の中で、常にこの二点が抽象概念として在ったとしても何の不思議も無いですものね。

 Claude Samuel氏との会談でも、「色彩」にまつわるお話が出てきます。
かなりドキドキ♪しますが、仏語インタビューも、ここら辺の調査を交えて、
頑張って聴き込んでみようと思います。

赤坂樹里亜

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